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虹に電話
20071020(ド) 
トード・ボーンチェ その後

 

箱根いらいのトード・ボーンチェの謎が解きたくて
思わず作品集を渋谷で買う。
彼が彼であるリアリティが知りたい。
植物のシルエットのリアリティがゆるい理由を知りたい。

本を開くと、これまでの作品があり、どれも素敵だった。
植物のシルエットの記号の変容性を借りてきて、
それをファンタジーをとおして、
自分の内面をキャラクタライズした作品以降に、
彼は自分自身に出会ったように思う。
そのバリエーションの幅に共通していることは、
あたりまえだけど、プロダクトデザインだということだった。
生活のなかで使うものということだった。
つまり、作品のアウトプットの出口と
その出口に誰がいるかということが明確だった。

彼がプロダクトデザイナーであることは知っている。
植物の記号性をアウトプットの
いろんなプロダクトに使おうとした時に、
リアルでは重く、だからシルエットになり、
また、記号性の高い妥当なフォルムになったんだと思う。
出口が明確で、出口に修正され、また入口にもどることを
繰り返しているうちにこの形になったんだと思う。

入口は個人のでたらめありの内面のリアリティ。
出口は個人が社会化すること。
社会参加、コミットメントのこと。
スタンダードでも、アバンギャルドだろうと同じ仕組み。
そして、出口をでた大通りには大勢の誰かが待っている。
このアウトプットがはっきりとしていることなんだと思う。
僕には無理だけれど、憧れとしては、
入口と出口がぐるぐると、ひとつながりで、
もはや、入口と出口の区別もない
ダイナミックなひとがいたりする。

このようなことは、あたりまえのことなんだろうけれど、
僕は時々混乱をして、入口も出口がわからなくなり、
また、出口で待っている人もわからなくなることがある。
これはダイナミックではなく、単なるボンヤリ。

終日、ホロヴィッツのショパンを聴く。
2時におやすみ。

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